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わが街・この人

我が街この人 vol.80

昔ながらの棚田を守る 大金 茂さん(52歳)

栃木県北地域で、何かに頑張っている人をリレー形式でお届けします。
お名前:大金 茂さん (52歳)
ご住所:栃木県那須郡那珂川町小口649
連絡先:TEL&FAX 0287-92-2082
ご紹介者様:那珂川町 ヒロクラフトの廣田さん
先月紹介しました廣田さん宅のはす向いにお住まいで、昔ながらの棚田を守っています。廣田さんご夫妻にとっては、農業の先生のような存在なのだとか。
那珂川町 馬頭の小砂焼の工房が散在する地域にお住まいの大金さんを紹介します。ここのところ、都会からの移住の方の登場が続きましたが、大金家は、代々この地にお住まいです。私達がお邪魔した4月下旬、広い敷地にはチューリップや、水仙の花が咲き誇り、かぐわしい香りを放っていました。目の前に沢があり、夏になると蛍が飛ぶのだとか。
大金家は、おばあちゃんと大金さんご夫妻、そして大学に通うお嬢さんの4人でお住まいです。大金さんは、このお宅から徒歩7~8分の山間に広がる昔ながらの棚田で稲作をしておひとりでこの棚田を守っているのです。
棚田とは、急傾斜の山間地の階段状棚稲作地のことですが、昨今の減反政策で、斜面で条件の悪い棚田での稲作をやめる農家が多い中、大金さんはこの棚田でお米を作っているのです。田んぼの枚数は16枚。約4反歩(40a) です。
大金家から里山の反対側にある棚田までの道のりは、上の写真のようにみどり深い静かなところです。軽トラックがやっと通れる位の道幅です。山頂付近を過ぎると右下ははるか下まで見渡せる崖のような地形です。この棚田に大金さんは、田に水を張ってからは日に2回は様子を見に来るのだとか。今では、田植えも、稲刈りも機械で出来るようになりました。この静けさのなかで季節の移り変わりを感じるのが何よりも好きだとおっしゃる大金さん。
『子供が小さい頃は、丘の上でお弁当を持って来てみんなで食べたりするのが楽しみでした』
山からの天水が流れ出る小さな小川には、ホトケドジョウ(この地域では(ドンバラスコ)という魚が生息しているんです。また土手には、アヤメ、ばらぐみなどが自生しており、まさに自然そのもの。その様子が写った写真がありましたので紹介します。
この棚田から取れるお米は、家で食べる分だけということで出荷はしていないんです。お隣の廣田さん曰く『粘土質の土壌と天水で育てられたお米ですから、初めていただいた時は本当に感動しました』と。
先日行なわれた馬頭の花の風まつりでは、廣田さんが主催する散策に、この棚田もコースに入っており、貴重なお米も小分けにして販売をしたとこのこと。
都会からの人々がここを見たら、水のきれいさと空気の美味しさ、里山のみどりできっと感嘆なさるはず。
が、ひとつだけ気になることが…。人気がなくなるといのししが出没してせっかく作った土盛りした土手を荒らしたりするんですって。今回もいのししにあらされた痕跡が若干みられました。
『人がいる時は出てこないから大丈夫だよ』と安心をさせてくださった大金さんなのでした。
大金さんは兼業農家です。地元の建材会社にお勤めで、この日は、夜勤明けの日でした。3交代の勤務で夜勤は夜中12時から朝8時まで。夜勤明けは、軽く食事をとってから少しお休みになるのだとか。
農家は平成9年にお父様が亡くなってから、受け継ぎました。それまでは手伝い程度しか携わってなかったのをいきなりやるはめになって戸惑ったそうです。人からいろいろ聞くのですが、田んぼはその土地にあった肥料のやり方であったり、水の与え方であったり微妙に違うということを数年がかりで体得し今に至るのです。
『稲作の基本はやっぱり天候や土壌などの大自然ですね』と。毎年、今年の稲作一年生と言う気持ちで取り組んでいるんです。 
お仕事と農業のほかに大金さんにはもうひとつお楽しみ(?)があります。ミニバスケットボールの指導者として小学校で教えています。お嬢さんが現役の選手だった頃は第一線で教えていました。今はサブ指導員として顔を出しています。
『子供達が一生懸命汗を流す姿にパワーをもらっているんです』と。試合で審判をつとめることもあり、大金さんのスマートな体形と体力のわけを垣間見た気がしました。ミニバスケットボールは1クォーター6分が4セットあるわけですが、審判は子供達と一緒に走り、ジャッジをするわけです。かなり体力を使うので、日頃から鍛えていないと無理ですよね~。恐れ入りました。
大金さん宅のニャンコです。庭でまったりしているところをパチリしました。お疲れのところまいぷれにお付き合いくださりありがとうございました。
『私なんかでいいんですか?』と何度もおっしゃっていて、謙虚なお方だなと思いましたが、ご自分の信念をお持ちになり、日々着実に生きているところがすごいなと関心致しました。秋の棚田風景もみてみたいなと思いました!

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